アドバイス
Windows 10で「TLSクライアント資格情報を作成しているときに致命的なエラーが発生しました」というエラーメッセージが表示される場合、いくつかの原因が考えられます。以下に、一般的な原因と解決策をステップごとに説明します。
1. 日時とタイムゾーンの確認
- 理由: TLS (Transport Layer Security) は、通信の暗号化に依存しています。日時やタイムゾーンが正しく設定されていない場合、証明書の検証に失敗し、エラーが発生することがあります。
- 解決策:
- Windowsの検索バーに「日付と時刻」と入力し、開きます。
- 「日付と時刻を自動的に設定する」がオンになっているか確認します。オフの場合はオンにします。
- 「タイムゾーン」が正しいことを確認します。間違っている場合は、正しいタイムゾーンを選択します。
- 念のため、手動で日付と時刻が正しいことを確認してください。
2. TLS/SSL設定の確認
- 理由: WindowsのTLS/SSL設定が正しく構成されていない可能性があります。
- 解決策:
- Windowsの検索バーに「inetcpl.cpl」と入力し、開きます。(インターネットオプションが開きます。)
- 「詳細設定」タブをクリックします。
- 「セキュリティ」セクションで、以下の設定が有効になっていることを確認します。
- 「TLS 1.0 を使用する」
- 「TLS 1.1 を使用する」
- 「TLS 1.2 を使用する」
- 「SSL 3.0 を使用する」のチェックは外す(SSL3.0はセキュリティ上の脆弱性が確認されているため)
- 「適用」をクリックし、「OK」をクリックします。
- PCを再起動します。
3. レジストリの修正
- 理由: レジストリの設定が破損している、または間違っている可能性があります。
- 解決策:
注意: レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った変更はシステムに深刻な問題を引き起こす可能性があります。事前にシステムのバックアップを取ることを強く推奨します。
- Windowsの検索バーに「regedit」と入力し、管理者として実行します。(レジストリエディターが開きます。)
- 以下のキーに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\SCHANNEL\Protocols
- もし
TLS 1.2
などのキーが存在しない場合は、以下の手順で作成します。-
Protocols
キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択します。 - キーの名前を
TLS 1.2
とします。 -
TLS 1.2
キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択します。 - キーの名前を
Client
とします。 -
Client
キーを選択し、右側のペインで右クリックし、「新規」→「DWORD (32 ビット) 値」を選択します。 - 値の名前を
DisabledByDefault
とし、値を0
に設定します。 - 同様に、値の名前を
Enabled
とし、値を1
に設定します。
-
-
TLS 1.0
とTLS 1.1
についても同様の設定があるか確認し、必要に応じてDisabledByDefault
を0
に、Enabled
を1
に設定してください。もしキーが存在しない場合は作成してください。 - レジストリエディターを閉じ、PCを再起動します。
4. ウイルス対策ソフトまたはファイアウォールの確認
- 理由: ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、TLS接続をブロックしている可能性があります。
- 解決策:
- 一時的にウイルス対策ソフトを無効にして、問題が解決するか確認します。
- ファイアウォールの設定を確認し、TLS接続に必要なポート(通常は443)が許可されていることを確認します。
5. ネットワークアダプターのドライバーの更新
- 理由: ネットワークアダプターのドライバーが古い、または破損している可能性があります。
- 解決策:
- Windowsの検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、開きます。
- 「ネットワークアダプター」を展開します。
- 使用しているネットワークアダプターを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択します。
- 更新が見つからない場合は、製造元のウェブサイトから最新のドライバーをダウンロードしてインストールします。
6. システムファイルのチェック
- 理由: システムファイルが破損している可能性があります。
- 解決策:
- コマンドプロンプトを管理者として実行します。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待ちます。問題が検出された場合は、指示に従って修復します。
7. Windows Updateの実行
- 理由: 古いバージョンのWindowsには、TLS関連の既知のバグが含まれている可能性があります。
- 解決策:
- Windowsの設定を開き、「更新とセキュリティ」を選択します。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新プログラムをインストールします。
8. 特定のアプリケーションの問題
- 理由: 特定のアプリケーションがTLS接続を確立する際に問題が発生している可能性があります。
- 解決策:
- エラーが発生するアプリケーションを特定します。
- アプリケーションを最新バージョンにアップデートします。
- アプリケーションの設定を確認し、TLS関連の設定が正しく構成されていることを確認します。
- アプリケーションを再インストールしてみます。
9. プロキシサーバーの設定
- 理由: プロキシサーバーの設定が正しくない可能性があります。
- 解決策:
- Windowsの検索バーに「インターネットオプション」と入力し、開きます。
- 「接続」タブをクリックします。
- 「LANの設定」をクリックします。
- 「LANにプロキシサーバーを使用する」がチェックされている場合、プロキシサーバーのアドレスとポートが正しいことを確認します。
- プロキシサーバーが不要な場合は、チェックを外します。
上記を試しても解決しない場合:
- イベントビューアーの確認: エラー発生時のイベントログを確認し、より詳細な情報がないか調べてください。
- システムの復元: 問題が発生する前にシステムを復元してみます。
- Windowsの初期化: 最終手段として、Windowsを初期化することを検討してください。ただし、初期化を行う前に、重要なデータのバックアップを取ることを忘れないでください。
- 専門家のサポート: 上記の方法を試しても解決しない場合は、専門のサポートに相談することをお勧めします。
これらの解決策を順番に試すことで、問題の原因を特定し、解決できる可能性が高まります。慎重に手順を踏んで、問題を解決してください。